モフモフ社長の矛盾メモ

ヒゲとメガネとパンダと矛盾を愛するアーガイル社のモフモフ社長が神楽坂から愛をこめて走り書きする気まぐれメモランダム

Twitterは情報インフラとして生き残れるのか

今、創業者のひとりがCEOに返り咲き、大胆なサービスと収益構造の改革に乗り出そうとしている「Twitter」について、こんな記事が出ていた。

business.nikkeibp.co.jp

「出戻り経営者」という共通点だけでジョブズを持ち出す、この記事タイトルのセンスは微妙だし、Facebookと単純比較をするのも投資家以外には意味が無いと思うが、言わんとすることはわかる。革新的なソーシャルメディアであり、情報インフラであったTwitterへの期待感が、急速にしぼんで行く現状を憂えているのだ。

 

自分は、2010年に国内初のTwitter分析ツールを開発し、Twitterを中心にソーシャルメディアの活用支援をする会社を経営し続けて7年目になる。いちユーザーとして、ビジネスパートナーとして、日々Twitterを見続けて来たので、NewsPicksなどでやいのやいの言われているのに我慢ができなくなって、この記事を書いてみた。

 

まず、大前提として、日本国内におけるTwitterの地位は、かなり盤石だ。FacebookとLINEしか使わず、特定の趣味も持たない30、40代以上の社会人からは、Twitterってまだ流行ってるの? 的な感覚かもしれないが、Twitterは日本国内のアクティブユーザー数で1980万人(2015年10月時点)。(追記:2016年2月18日、初めて公式にTwitterの日本国内アクティブユーザー数が発表された。その数は3500万人。やはり盤石だった。)。10代・20代には圧倒的な利用率だし、主婦層から高齢者層まで男女ほぼ同数で広く分布している(ちなみにFacebookは2400万人)。

みんなが街なかでTwitterについて口に出さなくなったのは、趣味アカウントや愚痴アカウントが上司や家族や知人にバレるのを防ぐためであって、多くのユーザーは複数アカウントを駆使してひそかに使い続けているのだ。Instagram(国内で810万人)の伸びが著しいが、あちらは日常の瞬間を切り取った写真が中心。Twitterは言葉が中心なので、根本的に住み分けられている。

 

さて、それではTwitterならではの良さとは、ソーシャルメディアとして他のサービスとの差別化要因とは、何なのだろう。


結論から言うと、Twitterのコアとなる価値は、以下の3つだ。

  1. 即時性 (時系列順のタイムライン)
  2. 匿名制 (趣味嗜好が開示しやすい)
  3. 透明性 (情報流通インフラの役割)

1. の「即時性」を支えるのは、140文字の投稿制限と、時系列順の表示と、モバイル投稿前提の設計思想だ。リアルタイム性と、気軽な投稿のしやすさを実現している。

140文字制限により、タイムラインの全内容が、詳細クリック不要で「流し見」できることも重要なポイントである。

2. の「匿名制」は、Facebookに比べてターゲティング広告面で不利という意見があった。しかし、Facebookは年齢性別のデモグラ分析は得意だが、本当の趣味嗜好を実名でさらけ出す人が少なく、興味分野の正直な情報は得られない。

一方でTwitter複数の匿名アカウントをアプリに連携したり、テレビなどを観ながらのダブルスクリーン利用が主流なので、ユーザー個人の趣味嗜好が丸わかりになる。Twitter広告の管理画面を見れば、そのターゲティング精度の高さに驚くはずだ。

3. の「透明性」だが、これは今や失われつつある。

今やTwitterはかつてのRSSのような情報流通インフラとして機能しているが、これは初期サードパーティーへのAPI開放と、トレンドキーワード、リツイート機能によるところが大きい。

しかし、今やAPIの対応が後手後手だったり、公式アプリ以外のアプリを差別したり、Facebookを真似して非時系列のアルゴリズム式フィード表示を検討したりと、Twitterとサービス連携して何が出来るのか、どんなユーザーにどういう形で届くのか、がどんどん不透明になりつつある。

 

まとめると、これら3つの価値を損なわず、さらに強化するUI/UX改善を行えば、Twitterは今後も唯一無二の存在であり続けられるだろう、ということだ。

 

一方、サービス体験の改善だけでなく、収益構造の改革も急務だ。

その鍵は、個人課金……個人的なアイデアとしては「個人がお小遣いで配信できる手軽な広告」なんじゃないかと思っている。例えばうまい大喜利ネタを思いついた時、告知したいイベントがある時、フォロワーを募集したい時などに、たった100〜500円ほど払うだけで、フォロワー以外にも、より多くの人に見てもらえるというブースト課金機能だ。事前に設定しておけば「ブーストボタン」のワンタップで行けるくらいの手軽さが理想だ。承認欲求を課金で満たすという機能だが、上手く行けばソーシャルゲーム並みの廃課金ユーザーが出るくらい、売上が伸びると思っている。

もし、このままTwitterが衰退するようなら、Twitterの次に同じような規模で情報流通インフラを構築する業者は当分出て来ないだろう。GoogleAmazonのような企業からは、Twitterのように個人データの塊のようなメディアが魅力的に映るだろうが、自前で運営して成功するとは思っていないはずだ。

これは過去の事例から導き出した法則だが、SNS以外の大規模インフラ事業を手掛ける会社が運営するSNSは、ほぼ確実に失敗する。最初は、保有するユーザー数の大きさも手伝ってそれなりのスタートダッシュを切るが、大成功はしない。ApplepingGoogle Plus、Amazon楽天、携帯キャリアの運営するサービスなど、枚挙にいとまがない。つまり、ユーザーはビッグ・マザー的なインフラや個人情報データを司る存在の手の平の上で、個人的なSNSを楽しみたくないわけだ。楽天AmazonのIDでひも付けて匿名SNSをやるなんて、マイナンバーをTカードにひも付けるようなものだ。だったら、SNS専業の会社や、小規模ベンチャーの手掛けるサービスであってほしい、というのが自然な意見だと思う。

 

一般に、SNSの寿命は数年。その衰退のきっかけは、自分の新しいステータス変化(最新の写真、卒業・就職・転職・引越し・結婚などのステータス変化)を、どのSNSで更新するか、ということに現れる。今、転職先の情報をmixiにアップデートする人も、mixiのアイコンが数年前から変わってないから変えようと思う人も、ほぼいないだろう。アップデートする気がしなくなったSNSは、滅びて行く。その点、TwitterSNSというより情報インフラであり、ステータスの変化をアップする必要性が高くないので、経年劣化には強いはずなのだ。

情報インフラとしてのTwitterは唯一無二の存在だし、その役割はまだまだこれからなので、ぜひとも透明性を高めつつ頑張って欲しい。

 

サードパーティーとして、Twitterへの一番の要望は、数年間放置されているAPI 1.1のバージョン更新です。せめて、検索結果の過去ログやアンケート機能など、Web版のTwitterと同じ体験を提供できるようにバージョンアップしてください。マジでよろしくお願いします。

いま話題の「湯河原 おんやど恵」で開発合宿した

先日、はてなブックマークやYahooニュースなどでも話題になっていた、開発合宿の新定番「湯河原 おんやど恵」で実際に開発合宿をしたので、簡単なレポートを書いてみる。結論から言うと、開発合宿の新定番になるにふさわしい宿だと感じた。

www.onyadomegumi.co.jp

 

僕の経営するアーガイル株式会社では、2009年の創業以来、毎年1度は開発合宿をしている。開発するものは、自社メディアの新しいSNSだったり、既存サービスの新機能だったり、要するに社内プロジェクト案件だ。

まず、これまで実際に開発合宿をしたおもな宿と、感想を列挙してみよう。

 

今までに開発合宿をした主な宿 瞬速レビュー

伊東 山喜旅館

開発合宿の定番だったので、初回はここにした。全館木造の増築しまくり建築で、風情というより懐かしさと隙間風を感じる。おかげで無線LANは宿泊部屋内でも良好だったが、温泉がとにかく狭い。本当に狭くて驚く。料理は海鮮中心だったが普通。チェックアウト後に会議室を有料で数時間借りられたのは良かった。

伊豆天城温泉 禅の湯

伊豆で別のところを攻めてみたら、あまりにも遠すぎた。東京から片道3時間半とか、開発合宿じゃなくて遊びに来てるとしか思えないレベル。しかも駅からタクシーで30分くらいで超遠い。宿は寺に隣接する宿坊で、肉や魚を使わない精進料理だが美味しかった。温泉設備(岩盤浴あり)もよかったが、全体的にやや割高で、何しに来たんだっけ的な感じで反省する。

那須高原 ペンショントワイライト

宿名も室内も、すごく「かまいたちの夜」っぽかったので決めた(こんや12じだれかがしぬ)。料理は美味しかった。「はっちゃけルーム」と呼ばれる、多目的カラオケ部屋を数時間くらい借りられたが、他の宿泊客との取り合いになるので、基本は部屋でベッドに座っての開発になった。昼飯や買い出しなど、何をするにも車が必要で、レンタカーを借りなかったのを激しく後悔した。でも室内にこもるのが開発合宿だしな……。

晴海グランドホテル

都内で企業が大人数で合宿したい時の定番。研修特化型で会議室の各種備品や、印刷などのビジネスセンター系のサービスが整っており、非常に快適。ただ、少人数だと会議室代が高い。部屋はビジネスホテルそのままで、大浴場は無し。食事は大部屋のバイキングで中々良かった。目の前にコンビニ、歩いて5分の所に晴海トリトンスクエアがあるので、昼飯には困らない。

湯河原 おんやど恵

会議室が快適。温泉と料理がとにかく最高。東京からのアクセスも素晴らしい。開発合宿先の新定番と言える。詳しくは次の章で。

 

おんやど恵のよかったポイント

東京からのアクセス抜群(東京駅から90分。駅から5分

これ、とても重要。駅からタクシーやバスで5分というのも重要なポイント。

深夜も使える設備充実の会議室

WiFi 環境、電源タップ、ホワイトボード、冷水とお茶のセット、コーヒー(別料金)、プロジェクタとスクリーン(別料金)など、各種の設備が揃っている。宿泊期 間中ずっと貸し切りで施錠もできるので、前日の環境そのままでスタート可能。昼は休んで夜中じっくり開発したい夜型のエンジニア集団にも対応できます。

ひと晩中、広い温泉に入れる

朝までひと晩中いつでも入れる温泉がとにかく最高。露天風呂もある。サウナは22時までなので注意。

ご飯がとても美味しい(これ超重要)

まじめな合宿の場合、楽しみは何といってもご飯。おんやど恵は、老舗の高級旅館だけあって、格安のプランでも本当に料理が美味い。

ハーゲンダッツうまい棒を完備

ハーゲンダッツは自販機で、数種類が24時間購入可能。宿内の売店には、エンジニア定番のうまい棒とカップラーメンなども完備。

社長が元エンジニア

なんか、インターネット時代以前のシステムエンジニアって、凄い職人魂みたいなのが感じられて尊敬します。エンジニアの気持ちに合わせた心遣いを感じます。

足湯とマッサージチェアと美味しい麦茶も無料

足湯しながら開発OK。豪華なマッサージチェアも24時間いつでも利用無料。冷たい麦茶サーバもあって、飲み放題です。

宿泊料が1人1泊1万円

ブログを書いている方を対象にしたモニタープランなら、さらに半額になるとのこと。


【ひみつ情報】 近所の焼き鳥屋が超美味い

焼き鳥も釜飯も、出て来るもの全てが美味しくて最高。梅宮の辰ちゃん御用達らしい。

鳥助

食べログ鳥助

 

おんやど恵のもうちょっとポイント

会議室やロビー周辺は高速無線LANで快適だが、客室で無線LANが使えるわけではない
コンビニがやや遠い(徒歩10分)
温泉と料理が素晴らしすぎて、むしろOFFの時に行きたい

 

開発合宿を企画する上でのポイント

2泊3日以上がおすすめ
夜更かしし過ぎない
必ずお楽しみタイムをつくる

 

普段と違う環境で、集まって行う開発は、やはり効率がいいですね。

設備の整った快適な温泉宿での開発合宿、おすすめです!

 

アーガイルの新サービスのGraphy グラフィー | マイベストでつながる、趣味が同じひと限定SNSの、オープンβテストもお楽しみに!

誰でも(はてな村民も)参加歓迎「ソーシャル花見フェス*2015」やります

東京の桜も咲いて、すっかりお花見の季節ですね。

モフモフ社長こと私、岡安淳司の経営するアーガイル株式会社が主催の、お花見交流イベントも、おかげ様で5年目になりました。

桜の下でみんながつながる「ソーシャル花見フェス*2015」
今年もやります!
4月3日(金)19時〜23時 @飯田橋駅近くの外濠公園

毎年100人近くの方々にご参加いただいてますが、参加費として徴収している500円は、全額を東日本大震災義援金に寄付しています。

ぜひ、はてな村民の方々にも、はてなブックマークオフ会の第2弾みたいな気分で(花見の後は自己責任で)、ご参加いただければと思います。ひとりで参加するお客様も多いですし、知り合いを連れて団体で突撃してもOKです。

だいたいの人数を把握するために、下記のFacebookで参加登録を受け付けてますが、ブックマークコメントとかで参加表明していただいても、当日飛び入りでもOKです。

アーガイル presents ソーシャル花見フェス*2015 | Facebook

 

イベント詳細は ↓

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誰でも参加自由。いつ来て、いつ帰ってもOK!
業界やジャンル横断で、友人・知人、同僚・上司・部下、クライアント、家族、恋人、飲み仲間、フォロワー、はてな村民、一度だけ挨拶した人、学生、子連れ主婦、幼なじみ、義兄弟などなど、誰でも楽しい仲間を誘って一緒に参加し放題。

【花見参加費】1人 500円(全額を日本赤十字社東日本大震災義援金に寄付)。
※食べ物・飲み物の持ち込み・差し入れ、超大歓迎!!
※二次会(22時より別会計)からの参加もお待ちしております。

【企画詳細】
日時:2015年4月3日(金) 19時~21時半
  (※みんなで片付け後、希望者で22時より2次会)
場所:飯田橋駅近くの外濠公園。逓信病院と法政大学の中間地点を予定してます。
   横断幕を照らす投光器が目印。青いピクニックテーブルが受付。
   Googleマップ:  http://bit.ly/1Ay3Ekg
出口:JR・飯田橋駅西口、地下鉄・飯田橋駅 A4出口
費用:ひとり500円(全額を日本赤十字社の東日本大震義援金に寄付)
飲食:ビール・酎ハイ・烏龍茶・乾き物等は用意しますが、飲食物の持ち込み・差し入れ、超歓迎!!!
雨天:豪雨なら、みんなで近くの居酒屋で飲むしかない!(※飲み代は各自負担)
幹事:アーガイル代表取締役 岡安淳司
連絡:非常時はアーガイル代表電話:03-6457-5789(花見中は携帯に転送)まで。
   ※参加者多数なので、個人連絡に対応できない場合があります。
    できるだけ自力で現地を探してください...。

■二次会予定:飯田橋・竹子(22時〜)
http://r.tabelog.com/tokyo/A1309/A130905/13038087/

Twitterハッシュタグ: #ソーシャル花見フェス (Twitter検索結果
 
【協賛】
飲食物や配布グッズなどを協賛していただける企業や店舗の関係者様、大募集中です。ご気軽にご相談ください!

【ご注意】
※寒い時期ですので、防寒対策は各自で徹底をお願いいたします(ガチで寒いです)。
※ブルーシートの上をなので、若干汚れてもいい靴下がおすすめです。
※また、靴や手荷物の管理は全て自己責任でお願いいたします。

 

4月3日(金)にお会い出来るのを楽しみにしてます!

話題の新SNS「Ello」に招待されてみたらエッロ!なにこれエッロ!!

タイトルは釣りです。

いぢまさんに招待していただき、アメリカでFacebookからの避難先と呼び声の高いSNS、Elloに登録してみました。

Ello | mofumofu

使って1時間くらいの感想です(今後、追記していくかも)。

えー と、ミニマルデザインというんですかね、白いです。シンプルといえば、シンプル。なにもないといえば、なにもない。このサービス、広告や個人情報取得をし ないのが売りなんですが、今のところの機能は、投稿(テキストと画像)、フレンド管理、プロフィール設定くらいです。

 

noteみたいに検索機能がなくて友達探せない!? と思ったら、Discoveryって機能から、ユーザーサーチができました! 白くてサーチ機能を完全に見逃してた。見出しみたいな「SEARCH」をクリックすると、検索窓になります。わかりづらっ!

でも、完全招待制なので、ユーザーはいつもの早耳アーリーアダプターさんばっかり。まだまだ本気で活動してる人は少なく、タイムラインが動きません。

 

記事はTwitterFacebookよりもブログに近い感じ。まあ、MediumとかnoteとかShortnoteみたいな感じですね。

テキストのブロックと画像のブロックを、いくつでも自由に積み重ねて記事が作れます。

でも、Twitterに記事をシェアみたいな、共有や拡散系の機能がないみたいです。まあ、招待制のうちは仕方ないのかな。

特徴的なのは、この「Friends」と「Noise」の分類。フォローしたユーザーを、FrendsかNoiseかのどっちかにこっそり振り分けられるみたいです。その他にも、フレンド以外の投稿(パブリックタイムライン的な?)がここに入ってました。訂正:Elloアカウントをフォローしてたので、そこからの投稿が自動的にNoiseに入ってたっぽい。

現時点での結論としては「思てたんと違う」。あんまり新しくもないし、面白くもなさそうです。実名のFacebookからの避難先というのが適切な感じ。こ れをやるなら、Pathとかでもいいんじゃないのかなー。そんなに焦って登録するほどのものでも無さそうです。まだ、使い倒してないのでわかんないですが。

僕と面識のあるお知り合いの方で希望者がいましたら、招待コードお送りします。上限が10人しかないので(既に減ってるし)先着順ですが。もしくは、知人じゃないけどどうしてもという方はご相談ください。ご相談いただく際は、Twitterフォローの上、この記事をブックマークとかしてくれるとうれしいです(にっこり)。

あと、Elloをもうやってる人はエロ仲間になろうぜ!

Ello | mofumofu 

まあ、そんなに焦ってやるもんじゃないと思いますよ。Ello。

エロくなかったし……。

 

Twitterやってます。

 

はてブオフ会に込めた裏の意図 〜狂言回しの司会者が語る最終総括〜 前編

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はてブオフ会」という物語をどう綴るか

カオスな群像劇としてではなく、あえて1人を中心にした物語として今回のはてブオフ全体を描くなら、主人公として一番面白いのはコウモリ氏 id:Rlee1984だろう。

そして、その事実こそが、多くの人をイラッとさせている原因でもある。

今回のオフ会は、怒涛の準備期間からオフ会終盤のプロポーズというフィナーレにいたるまでの、コウモリという、ひとりの未熟な主人公の成長譚だった。

ヒロインは、もちろん彼の現フィアンセ、マドモワゼル・マリーヌ。だが、古めかしい冒険譚で最後に現れて結ばれる姫のように、彼女の影は薄い。

舞台を盛り上げ、中心点からかき回してカオスな場を作るのは、トリックスター役のヒャッハー斎藤 id:netcraft 。今回のオフ会の主催者だ。

そして、はてなブックマークというサービスの世界観を信奉し、それを体現する預言者を自ら任じて、企画運営のアドバイザーならびに当日の司会者としての狂言回し役に徹していたのが私、モフモフ社長 id:shields-pikes である。

はてブオフ会というひとつの物語の裏側の世界を、今から語ろうと思う。

f:id:shields-pikes:20140712220048j:plain

妄想や戯言と思うなら、そう考えていただいて構わない。後づけの解釈、ご都合主義と捉える方が自然かもしれない。

だが結果は、全て自分のねらっていた通りになった。それだけは真実だ。

隠されたミッション

今回、準備委員会に参加した時点で、モフモフは個人的に3つの達成目標(ミッション)を立てていた。

  1. はてな村古参勢ではない企画メンバー中心で、オフ会を成功させること。
  2. はてなブックマークの世界観を貫き、それをリアルな世界で再現すること。
  3. オフ会の前後で、はてブユーザー同士の関係性や空気感を変化させないこと。

のちに、ここに4つ目のミッションが追加されるのだが、それは追って語って行こう。これらのミッションを含め、今回のエントリで語る内容は準備委員会の誰にも話していない。だから、いわば、隠されたミッションだ。

1つめのミッションから順番に語って行こう。

今回は、私が知る限り初めてに近い、はてなブックマーカー中心の大型ユーザーオフ会だ。これだけは、絶対に失敗させてはならない、と思っていた。

理由は簡単だ、自分ははてなブックマークというサービスを心から愛しているからだ。自分が参加しようがしまいが、はてブオフ会の名を冠する以上は、はてブの世界観を崩すような適当なオフ会だけはやってほしくない。

そして、はてな村民と呼ばれる古参ユーザーやブロガー連中による、人脈という既得権益をベースにした馴れ合い、年功序列的なヒエラルキーにも辟易していた。
古参ではないユーザー中心に仕掛けたオフ会がサムい結果に終わり、古参以外のユーザーやはてなブックマーカーメインのユーザー達が、はてな村民からナメられるのだけは嫌だった。

それなら、いっそ自分も主体的に参画して、成功確率を上げよう。そのような意図を持って、オフ会の準備委員会に参加した。

単なる「オフ会としての成功」なんてのは、そんなに難しくない。

親睦を深めることなんて、インフラ(施設、アクセス、資材、受付、飲食物、片付けなど)の計画と当日の運営をしっかりする、席順に気を配る、一部の人のノリだけで暴走しない、会話の時間をたくさん作る、積極的に会話をしなくても楽しめる仕組みにする、周りに馴染めない人をフォローする、リスクを想定しておきトラブルを未然に防ぐ、あたりを守っておけば問題ない。

自分も、5年前の創業時からアーガイル社の主催で100人規模の参加者が来る花見イベント(ソーシャル花見フェス)を毎年開催したり、最近ではnoteユーザーのオフ会を企画したりと、色々やっているので、ある程度の成功ノウハウはある。

それよりも、「はてブらしさ」を失わずに(世界観を守り、慣れ合い過ぎずに)、いかに着地させるかがキモだと思っていた。

はてブオフ会成功の判断基準とは?

今回、外部から見ても誰もが認めるような成功を狙うのであれば、何をもってオフ会を成功とみなすかの基準を考えなくてはならない。
個人的には、以下の5つだと考えた。

  • a. コントローラブルな揉め事や対立や炎上以外には大きな事件やトラブルを起こさないこと
  • b. オフ会に行かなかった人間が悔しがるくらいに盛り上げること
  • c. 参加した人間が賛否問わずレポート記事をどんどん上げたくなるほどの話題性を提供すること
  • d. はてなブックマークの世界観を踏襲したイベントにすること
  • e. 過度な馴れ合いを避け、はてブ特有の殺伐さを忘れないこと

a.については、はてなスペースでの議論や打合せの席上でも積極的に関与した。カオスなオフ会、殺伐とした会、手斧の投げ合い、と口で言うのは簡単だが、本格的な罵り合いや殴り合いの喧嘩や、不審者による凶器の持ち込み、殺傷事件など誰も望んではいるまい。そのため、参加者への注意事項の文言は自分が書いたし、妙な予告もあったので、形式だけでも荷物検査を徹底してもらうことにした。安全第一。文化的な意味でのカオスとは多様性の許容であり、決して戦争状態の再現ではないのだ。
正直、殺伐さを体現するイベントとして、企画初期の頃はブックマーカー同士のパネルディスカッション系の企画も考えた。だがイベント進行の時間や登壇者選びの関係で断念した。まあ、個人的にid:xevra氏と生討論してみたかっただけなのだが。ただ、これは実現しなくて良かったと思う。理由は後編でお話する。

b.とc.については、皆が同じような意識を共有できていたのではないかと思う。この辺りの、盛り上げたい&話題性を高めたい、という前向きな意志で、コウモリ氏を中心にして準備委員会は健全に団結感を増していったと思う(学校や会社みたいでキモいけど、プロジェクト推進には大事なことだ)。
特に id:kiku-chan さんの冷静さと手の器用さ(名札制作)と段取りの良さは、a.とb.とc.という通常のオフ会としてのクオリティを底上げするのに大きく貢献していたのではないか。ちなみに、委員会側でイベント場所のロケハンも専用機材の準備もせずに id:kybernetes さんにツイキャス配信を機材準備から当日の撮影まで丸投げ状態でお任せしてしまっていたのは、非常に申し訳なかったことで、今回で最大の反省点だと思っている。ほとんど当日のお願いだったにも関わらず id:hnnhn2さんに即興で音響担当をしていただいたのも、ありがたかった。入場テーマの岡村靖幸「ビバナミダ」は僕の趣味です、すみません。

多少のミスやトラブルはあったが、多くの準備委員の尽力の結果、a.b.c.においては、オフ会としての成功レベルには達していたと思う。

だが、d.とe.を最初から最後まで強く意識していたのは、自分以外に委員会内にもあまり多くなかったのではないかと思う。
もちろん、d.の世界観を再現することにおいて id:yuiseki さんのツールが果たした役割は非常に大きかった(あれは本当に凄いツールなので、ぜひ汎用サービス化して欲しい)。またid:sabacurry さんは、当日の飲食系の裏方チーフとして id:hinaho さんらと共に、a.のイベントの正常な運営と後片付けにとてつもない貢献をしていたが、同時に企画段階からe.の過度な馴れ合いを避けるという点においても自分とは比較的認識が近かったように思っている。

自分も「はてブの世界観を大事に」と言うことを表立って主張したことは、そんなに多くなかったが、企画発案やアドバイスをする時は常に頭のなかにあった。
ヒャッハー斎藤氏が、当初のコンセプト「はてなに物申す」(そんなのオフ会イベントでやることじゃないだろ)を、途中から「はてブユーザーの親睦」という腑抜けた目的に差し替えた時にも、俺は絶対にはてなの世界観だけは守りぬくと内心決意していた(その発露のひとつが、後述するxevraさんへの挑戦状という実験エントリだ)。

ブックマーカーは電動河豚の夢を見るか

2つ目のミッションは、はてなブックマークのコンセプトをリアルな世界で再現すること。しかし、どうやって?

自分だけが、オフ会の場を擬似的なはてブ空間に仕立てることにこだわった。これは、ほとんど誰にも言ってない、個人的な裏ミッションだ。ネット上に偏在するはてブワールドを、リアルなオフ会という場に一点集約し顕在化するには、いくつかの仕掛けが必要だった。

今回のオフ会のために特別に用意されたツールがある。「はてブユーザー戦闘力可視化ツール」、「ステータス入りの名札」、「リアルはてなスター・シール」の3つだ。
正直言って前の2つ、ツールと名札の制作には、自分はほぼ関わっていない。自分が中心となって発案し、購入して実現させたのは「リアルはてなスター・シール」だ。だが最初の打合せで、プロトタイプの戦闘力可視化ツールを見た時に、この「スカウター」があればリアル世界にはてブワールドを擬似構築できると思い、名札にパラメータを印刷して配るという意見に強く賛同したのを覚えている。

自分は、これらのツールと各種イベント企画を活用し、オフ会の会場内で、はてなブックマークのUX(ユーザー体験)を、再現したいと考えた。オンライン上の関係性や行動・体験を極力そのままオフラインに落とし込むことで何が起きるのか、その実験こそが、はてなブックマーカーのオフ会を開催する意義のひとつだと思ったからだ。

そして、その実現には下記の4つの要素が必要と考えた。

  • A. 共通テーマ提供による即興コメント促進
  • B. 対立構造の導入
  • C. 参加者のメタ・キャラクター化
  • D. 承認構造の可視化

これらを順に説明して行く。

A. 共通テーマ提供による即興コメント促進 = 記事とブックマークコメント

今回、メインイベントとして、ライトニングトークやid:topisyuさんによるお題の提供と即興コメント(会話)という企画を用意した。
企画が多すぎる、という声は最初からあったが、それでもこれらの企画を最後まで押したのは、お題に対してリアクションするのが得意なのがブックマーカーなので、ネタが必要だと思ったからだ。ライトニングトークは、参加者の個性を活かした驚きと多様性に満ちた発表が多く、ヒャッハー斉藤氏の発表は正直微妙だったが、全体的に予想を遥かに超える盛り上がりを見せた。あれが無ければ、イベントはかなり淡白なものになっていただろう。

一方で「その場で記事にブックマークする企画」は、企画自体の練り込みが甘くて正直成功とは言えなかった。topisyuさんに記事選びを依頼する、という話の流れになっていたので、彼女と面識のない自分は、後はヒャッハー斎藤氏とコウモリ氏に任せようと思った。だが、飲み会の場で周囲の人と会話しながら、スマホで長文記事を読解して、裏の意図を読みつつ気の利いたブックマークなんて、出来るわけがない。脊髄反射的に大喜利レスをつけられる、3行くらいの増田とかがちょうどいいと思っていた。

企画の概要もわからずに協力を快諾していただいたtopisyuさんに責任は無い、企画の発案者である自分と、お題の発注者との意思疎通が取れていなかったのが問題だ。ここは、準備の終盤に仕事が忙しくなって、言い出しっぺにも関わらず企画を任せきりにしていた自分として最大の反省点である。

そういえば、コウモリ氏が「企画の主担当をそれぞれ決めて、進めて行きたい」と言い出して、自分だけで抱え込まずに仕事を分担し始めたのはいい傾向だな、と思っていたら、4つ全ての企画の主担当を企画発案者という理由だけで俺に振って来たので、司会をしつつそこまで出来るか!とキレたのを思い出した。コウモリ氏、なかなか面白いやつである。

B. 対立構造の導入 = 古参と新参、慣れ合いと手斧の投げ合い、リア充と非リア充

オフ会前に多層的な対立構造を導入しておくことは、必須だと個人的に考えていた。これこそが、コントロールできる「文化的殺伐さ」の根源だからだ。
自分が主に考えていた対立軸は、3つ。はてな村の古参と新参、慣れ合いと手斧の投げ合い、リア充と非リア充だ。これらを混ぜあわせて使うことにした。
その中で、「はてブ婚」というキーワードは、全ての対立軸を含むもので、とても便利だった。さらに、自分が発表したい趣味でつながるSNS「グラフィー」のPRにも文脈が上手くつながるな、とひとりでほくそ笑んでいた。その意味で、コウモリ氏のサプライズ・プロポーズの話を聞いた時にも、これは対立軸を明確化させる、よく燃えそうな燃料が出て来たぞと思い、二つ返事で協力を請け負ってしまったわけだ。この辺りの顛末は、後編で詳述する。

ただ、はてブ婚なんてのを推しまくるだけだとキモ過ぎて、対立を煽るどころか引かれそうなので、足りていない別の軸の要素をあえて投入した。それが「id:xevra先生、出て来いや! - モフモフ社長の矛盾メモ」の記事である。ネットオンリーで活動する大物ブックマーカーとの無粋な対立構造を煽って、古参ユーザーの眉をひそめさせたかったので、あえてアホっぽくid:xevraさんにつっかかってみた。ここの顛末についての詳細も、後編で述べたいと思う。
自分は本来、はてブ婚とか男女の出会い目的のオフ会をはてブで開くことは大反対派だったが、それを早々に出し過ぎてしまうと、当日のあわよくば感とか勘違いする人も減って面白くなるので、我慢していた。対立構造を解決すること無く、くすぶらせた状態でオフ会を迎えるようにしたいと思っていたのだ。

その意味で、ヒャッハー斎藤氏が立て続けに繰り出してくる脈絡の無いネタの投下は、流石のトリックスターっぷりだった。しかし余りにも意図が読めな過ぎて、向精神薬を常用しているしもう離婚しようかと思ってる、みたいな話を釣り半分で出して来た時は、正直イラッとした。自分は、かつて大学時代に大切な友人を救うことが出来ず亡くした経験があるので、雰囲気メンヘラとかファッションメンヘラみたいな発言は大嫌いなのだ。

C. 参加者のメタ・キャラクター化 = 極力ハンドルネームとしての人格を保ってもらい、はてな村社会の現状を露呈する

これはyuisekiさんの素晴らしすぎる「はてブスカウター」の仕組みと、それを名札にしたおかげだ。ステータス入りの名札は、yuisekiさんのツールで、はてなAPIから抽出した戦闘力データ(ブクマ数、お気に入られ数、取得スター数)を出力して、id:pero_pero さんがデザインし、kiku-chanさんがヒモを手でつけていた、Web技術と家内制手工業の融合によるハイテクハンドメイド名札だ。

この名札があることで参加者達の多くは、初対面のおっさん同士としてではなく、ブックマーカーアイデンティティのまま交流することに成功していたと思う。相手を対面で知り合った一個人としてではなく、はてブユーザーという色眼鏡を通して見る、という流れに持って行くことに成功した。はてな村の有名人は黙っていてももてはやされ、無名のユーザーは積極的に行動しなければ女性参加者であろうが放置される。後半は誰でも自由にトーク発表をしていいと告げていたが、結局は有名人しか話さない。数少ない例外は、増田を代表して想いを語ってくれた彼と(あれは面白かった。はまちや2さんが背中を押してくれたらしい)、無名ながらも自己アピールと全くステマじゃないアカマ(あからさまマーケティング)をして勝手に目立とうとしていた自分くらいのものだ。

まさに、はてな村の悪習がそのまま体現されていた。はてブワールドは、自らの言説だけを武器に、手斧を持って戦う孤独な常在戦場ではなかったのか? いやいや、実際のところは古参ユーザーによる年功序列と、お気に入られという既得権益の根が隅々まで張り巡らされた村社会だろう。はてブの軟弱なオフ会を茶化し「手斧はどうした」などと馴れ合い姿勢を批判している古参達こそが、一番馴れ合っている。これこそが、実際のはてブワールドの真実である。これを露呈したかった。そしてこの仕掛けは、後編で解説する「xevra先生出て来いや」の伏線にもつながっていく。

D. 承認構造の可視化 = リアルスターシールの貼り合いで、はてブの慣れ合い構造を象徴するスターの再現

もちろんはてブは、古参同士の馴れ合いや、それにおもねる新参者の見苦しい姿だけではない。はてブでは独力で大喜利やダジャレという孤独な戦いをしたり、辛口コメントなどの手斧を投げ合っている者も多いのだ。とはいえ、ひとりで生き抜く戦場ほど、辛いものはない。基本的には大喜利も、共感した相手に☆をつけあう馴れ合いの場だし、辛口コメントにつけられた同意のはてなスターは、馴れ合いを超えて、時に形を変えた手斧になりうる。そこもはてブの魅力の1つだと思っている。

スター機能は、はてブにおける、良き馴れ合いの象徴だ。だから、オフ会という馴れ合いにしかならない場所を、「日常を異化した非日常」としてメタ化させ、日常としての「はてブ」を変わらず守るためには、オフ会自体をリアルスターの投げ合いの場にするのがいいんじゃないかと思いついた。

そうすれば象徴的な意味では、馴れ合いの目的はあくまでスターシールを集めること(承認欲求を満たすこと)であり、心に手斧を隠し持った人も自分がスターを得るためなら馴れ合うし愛想もよくする、といういつものはてブと同じ世界になる。ブックマーカーが現実世界で馴れ合うためには、非日常的な舞台と、逃げ道となる言い訳が必要なのだ。
たぶん、リアルスターシール企画を最初から最後まで強行に推してたの自分だけだったし、実際にひとりでシールの調達や人数分にするべく裁断までした。

オフ会後のみんなの名札を観る限り、実際に多くの参加者がコミュニケーションのためにシールを活用してくれていたようで、これは嬉しかった。

天空に広がるはてブワールドは、果たして地に降りたか?

これら、共通テーマの提供による即興コメント促進、対立構造の導入、参加者のメタ・キャラクター化、そして承認構造の可視化、4つの仕掛けによって、自分はオフ会の会場に擬似的な「はてブワールド」を作り出したつもりだ。そんな誰も気づかない面倒くさいことを狙った目的は、何か? その結果とは? それは後編でじっくり語って行きたいと思う。

その前に前編でも少しだけ、準備委員のメンバー達がオフ会準備が進める中で起きたことを、その渦中にいた者の立場から語ってみよう。この「はてブオフ会」という物語を裏の裏まで読み解くことがあなた(読者)の目的ならば、次の章はコウモリという主人公の内面の理解につながるかもしれない。

準備委員会の上空をふらふらと舞うコウモリ

オフ会の準備委員会は、誰もが思っていた通り暗礁にのりあげた。委員会が立ち上がり、はてなスペースでのブレストと、初回の顔合わせとも言える打合せ&飲みを終えて、1週間ほど経った時だった。

自分も、この準備委員会のメンバーでは、近いうちに破綻するか失敗するか、だろうなと思っていた。良くて分裂、悪くて解散だと。ヒャッハー斎藤氏に義理もないし、自分だけで主催できるほど知名度も低いし、本業が忙しくて時間にも余裕がないし、成功させるのが不可能そうなら早めに手を引こうと考えていた。

だが、ひとりの男の動きを見て、考えを変えた。それが、コウモリ氏だ。

最初のうち、彼は本当に使い物にならなかった。以前に、はてなブックマークユーザーの詳細な分析記事を書いて、はてな村に颯爽と現れた時は、わりと見所がある奴が現れた、と思っていたのだが、実際に一緒にプロジェクトを進めてみると、空回りだらけの単なる使えない新人だった。

そして、どう考えても、最初から最後までヒャッハー斎藤氏は神輿でしかなくて、フルコミット出来るコウモリ氏が準備の中心人物だった。それに気づいている人が少なかった。自分はヒャッハー斎藤氏が広告塔でしかないのには最初から気づいていたが、実行隊長のコウモリ氏をこき使うべく、上司であるヒャッハー斎藤氏自ら全権を委任しているのかと勘違いしていた。しかし、実際のところコウモリ氏はヒャッハー斎藤氏や他の実行委員に遠慮し過ぎて、自分で何一つ決断しようとしていなかったのだ。当初から自分は企画アイデア出しには積極的に参加してはいたが、誰もが言いっぱなしでひとりも仕切る人がいない惨状は、見るも無残だった。

はてなスペースなんていう暗黒地下迷宮並に階層が深く、超絶不便な場所で、関連スレッドが分裂しまくったグダグダのブレストもどきを何日間続けるんだよ、という状態が続いた。その間もコウモリさんは、ブレストで出た案を取捨選択したり、まとめることなく、せっせせっせとログを単純に追加し、上乗せして行く。全員の意見を平等に扱い、一切取捨選択も整理もせず、決定事項が1つもない。

その時点で、これは失敗するかな、と思った。一度厳しいダメ出しをして、逆ギレしたり、落ち込んでるようなら、もう辞めようかとも思っていた。

ヒャッハー斎藤氏がメンヘラ気味の離婚話養子話をアップした時が、自分的に降りようと思ったピークだった。本気かどうかは知らないが、あの手のネタは心底嫌いだ。その頃に、初期から準備委員としてかなり精力的に動いていた、id:dora-kou さんによる的確なダメ出し記事が出た。

おいらが見た、はてブオフ会の準備が混沌化する経緯

 貴重な戦力であるdora-kouさんは、これ以降一線を退いた。この記事のブコメに書いたとおり、自分も同じタイミングで退こうかと思っていた。だけど、最大の心残りだったのは、yuisekiさんの開発しているツールだった。あれだけは埋もれさせてしまうのは惜しい。ただ、自分が主催者になって仕切り直すほどはてな内での知名度も無いし、実行部隊の中心になるほど自由にできる時間も無いのだ。

しばらく準備委員のスレッドを見ない日が続いた。すると、idコールがあった。
気がつけば、コウモリ氏が、今までのスレッドを全部消して、自分の考えでカテゴリを整理しなおしたっぽい新たな大量のスレッドを作りなおしていた。

いや、それ全く同じことだから! と、彼の空気の読めなさに、ひとり大爆笑した。
コウモリ氏は、本当にまだまだひよっ子だが、とにかく空回りしながらも懸命に前進し続けている。一方でフランス人を街でナンパするほどの(俺にはできない)謎のポテンシャルがある。そして一見繊細そうに見える外見はまやかしで、単に細部のこだわりが強い偏執狂的な神経質さの現れであって、彼の本質は全く空気を読まない図太さにある。それを伸ばしてみたくなった。

その頃、ヒャッハー斉藤氏が「コウモリさんに一任しまーす」と、あまりに遅すぎる全権委任宣言を出し、3mmくらいのリーダーシップのかけらを見せてくれた。こうなりゃ、乗りかかった舟だし、俺が関わった以上は絶対に成功まで持って行こうと思った。それがオフ会の約3週間前。

そして、そのためにはフルコミット出来る数少ない人材であるコウモリ氏を徹底的に動かすしかない、と決意した。

4.オフ会準備を通じて、中心人物であるコウモリ氏を大きく成長させること。
という、自分の中に、新しいミッションが加わった瞬間だった。

 

非常に長くなったので、前編はここでお終いだ。
残りは後編の記事で書こうと思う。

はてブオフ会というコンテクストの中で、コウモリ氏のプロポーズの果たした意味とは、なんだったのか。自分がxevra氏に挑戦状を送った本当の意図と、はてな村への想いとはなんなのか。そして、自分が描いたはてブオフ会の完成図の全貌とはどんなものだったのか。3つ目のコンセプトは果たされたのか。このオフ会の前後で、はてなブックマーク界隈はどう変わって、どう変わらなかったのか。

後編に続く。
遅筆ですが、この記事がわりと好評なら頑張って急いで続きを書きます。

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