モフモフ社長の矛盾メモ

ヒゲとメガネとパンダと矛盾を愛するアーガイル社のモフモフ社長が神楽坂から愛をこめて走り書きする気まぐれメモランダム

今年もやります! ソーシャル花見フェス*2016 4/1(金)19時より

 今年も、アーガイル主催のお花見イベントやります!

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はてなTwitterなど、今までネットだけのつながりの方も、単純に興味がある人も、ぜひお気軽にお越しください! 詳細は以下のFacebookページを!

飯田橋駅の近く、外濠公園の桜が今にも咲きそうです!今年のソーシャル花見フェスは、来週末 4月1日(金)の19時から!参加費500円は、今年も全額を東日本大震災義援金に寄付します。お酒はアーガイルがご用意。おつまみ持参でお越しください。おひとりで参加の方も多いですし、知人・友人・同僚をたくさん誘ってのご参加も大歓迎! Facebookでの参加表明、お待ちしてます!

岡安 淳司さんの投稿 2016年3月23日

 

去年参加してくれた id:bulldraさんが書いてくれた、感想ブログもご参考に。

bulldra.hatenablog.com

 

事前にFacebookで参加表明してくれると、こちらで人数が把握できて嬉しいですが、当日の飛び入りでも全然問題ないし大歓迎です! 今年も、色んな人と話して、飲んで食べて、桜を眺めて、楽しい時間を過ごしてください。

「スマホの次は、ウェアラブルデバイスが来る」の嘘

スマホの次は、ウェアラブルデバイスの時代」的なバズワード満載の意見や記事が、いまだにネット上に散見される。

newspicks.com

 

勝手に断言するが、未来永劫「メガネ」と「スマートフォン(以下、スマホ)」は、完全に競合もしないし、融合もしない。やや遠い未来、体内にナノマシンを埋め込むことが全人類に普及しきるか、他人に顔を見せない習慣が全世界の主流になるか、人間が道具を手に持たない体型に進化でもしない限り、スマホのように手に持って使うデジタルデバイスが廃れることは、絶対にあり得ないことだと断言する。

こんな当たり前のことを書いたブログ記事が見当たらなかったので、このブログエントリを書いた。自分はApple Watchの発売以来、1年間意地になってほぼ毎日着け続けている経験があり、ウェアラブルデバイスについて語る権利は、それなりにあると考えている。Apple Watchについての記事も、近いうちに書きたいと思う。

 

本題にもどろう。

なぜ「メガネ」と「スマホ」は、競合も融合もしないのか。

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なぜなら、顔面に着けるアイテムは、あらゆるファッションアイテムの中でも最も目立つ存在だからである。だからこそ、おしゃれと、やむを得ない視力矯正以外の目的でメガネをかける人が少数派であることは、未来永劫変わらない。スマホのような手持ちのデジタルデバイスでも充分代替可能な機能を使うために、あえておしゃれを犠牲にする人はあくまでギーク層であり、永遠に一般消費者の多数派にはならない。これは、どんなに自然なデザインやおしゃれなデザインのメガネデバイスが出ても変わらないし、仮に将来ギークファッション自体がブームになったとしても、デジタル機能のためのメガネを着ける人は多数派にはなり得ない。

余談になるが、もしかすると顔を隠しつつおしゃれをする必要があるイスラム圏の女性を中心にファッションアイテムとしてのメガネ型デバイスが広く普及する未来の可能性は、他の文化圏での普及の可能性よりも少しだけ高いかもしれない。そこを起点にイスラム圏以外の男女層にまで爆発的に普及するというのは、なかなか考えにくいが。

 

さて、一方で「顔面デバイスに搭載しなくてはならない明確な理由」を持つ一部の機能だけが、メガネに搭載されて、それを必要とする一部のメガネユーザーに普及する近未来は充分あり得る。ただし、この場合はスマホとの併用が大前提だ。

それでは、メガネに搭載しなくてはならない機能の例を、具体的に考えてみよう。

  • 視力のサポート
  • 眼球の動きを読み取るセンサ
  • 視界のライフログを記録するカメラ
  • 骨伝導イヤフォンマイク
  • 周囲に気付かれたくないプライベートな情報閲覧
  • ARやVRで視界に重ねて表示した方が圧倒的に便利な機能

これら以外の機能、例えば一般的な情報の閲覧や入力は、手元の画面で操作した方が圧倒的に利便性が高いので、形状が板状なのか棒状なのかが変化しても、スマホ的な手持ちのデバイスがなくなることは絶対にないのである。そもそも、そんなに全人類が両手を空けておくことに圧倒的価値を感じてるのなら、今ごろリュックサック以外のバッグは廃れているはずだよね……。

 

この辺、元記事のJIN社は全て理解した上で、浮わついたSF的なウェアラブルデバイスじゃなく地に足が着いたニッチ仕様のJiNS MEMEを作ってるんだと思う。方向性としては、SONYが作ってる、アナログ腕時計のベルトにセンサと通知機能と決済機能だけを埋め込んだWENAに近いし、それがウェアラブルデバイスについては今後も正しいアプローチだと思う。

jins-meme.com

wena.jp

 

あらゆるデバイスは、手に持って使っているうちは「道具」の要素が強いが、身体に身につけた瞬間に厳然たる「ファッションアイテム」になる。ある人が日常的にiPhoneを使っていても、今やそれだけでセンスを問われることは無いが、Apple WatchやGoogle GLASSを毎日身に付けていたら、それはその人のファッションセンスとみなされる。エンタープライズ領域や、ギーク層の利用を超えて、一般層への普及を考えるなら、この「ファッションアイテム」という側面を軽く見積もってはいけないと思う。

Twitterは情報インフラとして生き残れるのか

今、創業者のひとり、ジャック・ドーシーがCEOに返り咲き、大胆なサービスと収益構造の改革に乗り出そうとしている「Twitter」について、こんな記事が出ていた。

business.nikkeibp.co.jp

「出戻り経営者」という共通点だけでジョブズを持ち出す、この記事タイトルのセンスは微妙だし、Facebookと単純比較をするのも投資家以外には意味が無いと思うが、言わんとすることはわかる。革新的なソーシャルメディアであり、情報インフラであったTwitterへの期待感が、急速にしぼんで行く現状を憂えているのだ。

 

自分は、2010年に国内初のTwitter分析ツールを開発し、Twitterを中心にソーシャルメディアの活用支援をする会社を経営し続けて7年目になる。いちユーザーとして、ビジネスパートナーとして、日々Twitterを見続けて来たので、NewsPicksなどでやいのやいの言われているのに我慢ができなくなって、この記事を書いてみた。

 

まず、大前提として、日本国内におけるTwitterの地位は、かなり盤石だ。FacebookとLINEしか使わず、特定の趣味も持たない30、40代以上の社会人からは、Twitterってまだ流行ってるの? 的な感覚かもしれないが、Twitterは日本国内のアクティブユーザー数で1980万人(2015年10月時点)。(追記:2016年2月18日、初めて公式にTwitterの日本国内アクティブユーザー数が発表された。その数は3500万人。やはり盤石だった。)。10代・20代には圧倒的な利用率だし、主婦層から高齢者層まで男女ほぼ同数で広く分布している(ちなみにFacebookは2400万人)。

みんなが街なかでTwitterについて口に出さなくなったのは、趣味アカウントや愚痴アカウントが上司や家族や知人にバレるのを防ぐためであって、多くのユーザーは複数アカウントを駆使してひそかに使い続けているのだ。Instagram(国内で810万人)の伸びが著しいが、あちらは日常の瞬間を切り取った写真が中心。Twitterは言葉が中心なので、根本的に住み分けられている。

 

さて、それではTwitterならではの良さとは、ソーシャルメディアとして他のサービスとの差別化要因とは、何なのだろう。


結論から言うと、Twitterのコアとなる価値は、以下の3つだ。

  1. 即時性 (時系列順のタイムライン)
  2. 匿名制 (趣味嗜好が開示しやすい)
  3. 透明性 (情報流通インフラの役割)

1. の「即時性」を支えるのは、140文字の投稿制限と、時系列順の表示と、モバイル投稿前提の設計思想だ。リアルタイム性と、気軽な投稿のしやすさを実現している。

140文字制限により、タイムラインの全内容が、詳細クリック不要で「流し見」できることも重要なポイントである。

2. の「匿名制」は、Facebookに比べてターゲティング広告面で不利という意見があった。しかし、Facebookは年齢性別のデモグラ分析は得意だが、本当の趣味嗜好を実名でさらけ出す人が少なく、興味分野の正直な情報は得られない。

一方でTwitterは複数の匿名アカウントをアプリに連携したり、テレビなどを観ながらのダブルスクリーン利用が主流なので、ユーザー個人の趣味嗜好が丸わかりになる。Twitter広告の管理画面を見れば、そのターゲティング精度の高さに驚くはずだ。

3. の「透明性」だが、これは今や失われつつある。

今やTwitterはかつてのRSSのような情報流通インフラとして機能しているが、これは初期サードパーティーへのAPI開放と、トレンドキーワード、リツイート機能によるところが大きい。

しかし、今やAPIの対応が後手後手だったり、公式アプリ以外のアプリを差別したり、Facebookを真似して非時系列のアルゴリズム式フィード表示を検討したりと、Twitterとサービス連携して何が出来るのか、どんなユーザーにどういう形で届くのか、がどんどん不透明になりつつある。

 

まとめると、これら3つの価値を損なわず、さらに強化するUI/UX改善を行えば、Twitterは今後も唯一無二の存在であり続けられるだろう、ということだ。

 

一方、サービス体験の改善だけでなく、収益構造の改革も急務だ。

その鍵は、個人課金……個人的なアイデアとしては「個人がお小遣いで配信できる手軽な広告」なんじゃないかと思っている。例えばうまい大喜利ネタを思いついた時、告知したいイベントがある時、フォロワーを募集したい時などに、たった100〜500円ほど払うだけで、フォロワー以外にも、より多くの人に見てもらえるというブースト課金機能だ。事前に設定しておけば「ブーストボタン」のワンタップで行けるくらいの手軽さが理想だ。承認欲求を課金で満たすという機能だが、上手く行けばソーシャルゲーム並みの廃課金ユーザーが出るくらい、売上が伸びると思っている。

もし、このままTwitterが衰退するようなら、Twitterの次に同じような規模で情報流通インフラを構築する業者は当分出て来ないだろう。GoogleやAmazonのような企業からは、Twitterのように個人データの塊のようなメディアが魅力的に映るだろうが、自前で運営して成功するとは思っていないはずだ。

これは過去の事例から導き出した法則だが、SNS以外の大規模インフラ事業を手掛ける会社が運営するSNSは、ほぼ確実に失敗する。最初は、保有するユーザー数の大きさも手伝ってそれなりのスタートダッシュを切るが、大成功はしない。Appleのping、Google Plus、Amazonや楽天、携帯キャリアの運営するサービスなど、枚挙にいとまがない。つまり、ユーザーはビッグ・マザー的なインフラや個人情報データを司る存在の手の平の上で、個人的なSNSを楽しみたくないわけだ。楽天やAmazonのIDでひも付けて匿名SNSをやるなんて、マイナンバーをTカードにひも付けるようなものだ。だったら、SNS専業の会社や、小規模ベンチャーの手掛けるサービスであってほしい、というのが自然な意見だと思う。

 

一般に、SNSの寿命は数年。その衰退のきっかけは、自分の新しいステータス変化(最新の写真、卒業・就職・転職・引越し・結婚などのステータス変化)を、どのSNSで更新するか、ということに現れる。今、転職先の情報をmixiにアップデートする人も、mixiのアイコンが数年前から変わってないから変えようと思う人も、ほぼいないだろう。アップデートする気がしなくなったSNSは、滅びて行く。その点、TwitterはSNSというより情報インフラであり、ステータスの変化をアップする必要性が高くないので、経年劣化には強いはずなのだ。

情報インフラとしてのTwitterは唯一無二の存在だし、その役割はまだまだこれからなので、ぜひとも透明性を高めつつ頑張って欲しい。

 

サードパーティーとして、Twitterへの一番の要望は、数年間放置されているAPI 1.1のバージョン更新です。せめて、検索結果の過去ログやアンケート機能など、Web版のTwitterと同じ体験を提供できるようにバージョンアップしてください。マジでよろしくお願いします。