モフモフ社長の矛盾メモ

ヒゲとメガネとパンダと矛盾を愛するアーガイル社のモフモフ社長が神楽坂から愛をこめて走り書きする気まぐれメモランダム

有名人とがんとスピリチュアル、の謎が解けた

さくらももこ先生の早過ぎる死はショックだった。そして、彼女の治療の様子を伝えるこの記事もまたショッキングだった。

やはり、がんで早過ぎる死を迎えた有名人の多くは、みな抗がん剤による標準治療をやめて民間療法に頼ってしまっているのかなあ、と思ってしまった。

 

もちろん末期がんで、現代医学による手術や標準治療での完全治癒のメドが立たなくなった後に、限られた余生をより生き生きと過ごすために、痛みを抑える緩和ケアだけをしつつ精神の平穏を保つための民間療法は続けていた、という可能性もある。

しかし、まだ治癒の可能性が高い時期から何らかのポリシーによって標準治療を拒否し、民間療法やスピリチュアルに傾倒して行った結果、現代医学に頼れば治癒していたがんが手遅れになってしまったとしたら、それは不幸なことだ。

 

このニュースについたコメントに、興味深い意見があった。

さくらももこさん、仕事のために “民間療法” で向き合った乳がんとの闘い | 週刊女性PRIME [シュージョプライム] | YOUのココロ刺激する

スティーブ・ジョブズといい、なんか癌で早死した人の話が出るとだいたい標準医療を受けてないことが多いの、気のせいじゃないよなあこれ……。

2018/09/04 02:42

 

以前に医療関係者から聞いた話だが、カリスマ性があって大成功している有名人ほどスピリチュアルや民間療法に深くハマりやすいのだそうだ。

何故なら、彼らはものすごい強運の持ち主で、今までにも幾多の難関を奇跡的にくぐり抜けて成功し続けている。

そういう人が、がんのような重病にかかると「自分なら必ず、自らの生命力ですぐに完全治癒して生き延びられるはずだ!」と考えてしまう。なぜなら、今までも絶体絶命のピンチを全てくぐり抜けて生きて来たのだから、自分はこの世界(の神)から愛されている存在なのだ、という発想になるのだそうだ。

そんな自信と強運に満ちた人でも、がんになると主治医から完全治癒の確率や余命の宣告など、悲観的な現実を突きつけられる。それを素直に受け容れられないのだという。そんなタイミングで、自分を全肯定してくれる民間療法のカリスマやスピリチュアルなカウンセラーに出会ったら、何が起こるだろうか。

「あなたのがんが完全に治るのは難しい」「副作用もある抗がん剤で治療を続ければ延命することは可能だ」と言ってくれる誠実な主治医よりも、「そんな医者はインチキだ」「あなたはこんなところで死ぬべき人じゃない」「私を信じて治療をすれば必ずがんは治る」と思いっきり自己肯定してくれる民間療法を頼ってしまうのだという。

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個々人の心の中の話なので、真偽のほどはわからないが、これはとても納得感のある話だった。心身ともに弱りきった時に、優しい声や甘い話に抵抗できる人は多くない。「自分は選ばれし人間である」という強いプライドも、辛い現実を受け容れる邪魔をするだろう。

しかも有名人が病気になると友人知人がこぞって、話題の民間療法や高級サプリメント、高名なスピリチュアルカウンセラーを紹介してくれるのだという。もちろんその大半は完全な善意によるものだ。頼まれる前から勝手に紹介状を書いてくれたり、サプリやら健康器具やらをわざわざ買って贈ってくれたりもするそうだ。それらの誘惑を全て断ち切るのは、並大抵のことではないだろう。

 

もうひとつ、民間療法やスピリチュアルにハマる理由がある。それらは、とても高額なサービスだからだ。有名人は、多額の資産を持っていることが多い。しかしそれも、病の前では無力だったりする。治すためなら何億でも金を積みたくても、病院で受けられる治療は限られている。数百万〜一千万円台の保険外治療は一般人には高額だが、有名人には大した金額ではない。大金を払いたいのに手立てが残されていない、というのは辛いことだ。そこで現れるのが、民間療法とスピリチュアル(とカルト宗教)だ。彼らは、平気で何億でも奪っていく。適正価格や相場などない、言い値の世界だからだ。しかし富裕層は、大金を払って安心を買えるなら喜んで払ってしまうのだそうだ。サプリメントや健康法などの似非科学も同様だろう。高ければ高いほど、効くように思えるものだ。

 

なるほど。有名人や富裕層が民間療法やスピリチュアルにハマるメカニズムが、垣間見えたような気がする。そしてこれらは、自信も金もそこそこしかない一般人にも等しく待ち受けている罠ではないかと思う。弱った時の甘い罠、それがひと時の甘美な夢を見させてくれることもあるかもしれない。しかし、本当は生き延びたいのに無知がゆえに真逆の行動をしてしまうことは悲劇だし、効果がないとわかっている民間療法で人を騙して金儲けをする輩は許すことができない。

心身ともに元気な時に、がんになった時の治療方針を決めて、家族や友人に伝えておくと良いのかもしれないと思った。病気はいつ誰の元に訪れるかわからないのだから。

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