モフモフ社長の矛盾メモ

ヒゲとメガネとパンダと矛盾を愛するアーガイル社のモフモフ社長が神楽坂から愛をこめて走り書きする気まぐれメモランダム

noteを使って3日目の雑感 〜 気軽な売買というカルチャーの持つ力 〜

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※扉絵と本文は無関係です。砂漠とパンダは無関係です。

「noteカルチャー」の萌芽

新しいWebサービスnoteが今、話題になっている。

自分も、焼きそばレシピを公開して、早くも2件ほど売れたりしている。

noteで「おいしい焼きそばの作り方」を売ったら、焼きそばが買えた

 

強く感じるのは、noteは独自のカルチャーを作るのに成功しつつあるな、ということ。

まわりを見渡すと、みんなが楽しくコンテンツを投稿したり、売ったり買ったりしている。クオリティの高いものも、ネタっぽいものも、ごちゃまぜに。そして、敬語にならない行きずりの気軽なコミュニケーションがあちらこちらで生まれている。

ニコニコ動画は巧かった

新規参入のソーシャルメディアにおいて、気軽にコミュニケーションしたくなるカルチャーを作ることが一番むずかしい。

その点、ニコニコ動画は巧かった。コンテンツはYoutube動画からの借りもの。そこに独自のコミュニケーションスタイルである字幕コメントを載せ、さら に既存の2ちゃんねるカルチャー(匿名、煽り、AA、ネットスラングなど)を接ぎ木したことで、結果的にサービスの垂直立ち上げに成功したのだ。

メディアの方向性は、最終的にはカルチャーで決まっていく。Twitterのようなスピード感があり気軽なカルチャー、クックパッドのようなほのぼのしたカ ルチャー、2ちゃんねるのような偽悪的なカルチャー、Yahoo!NEWSのような低俗で殺伐としたカルチャー、Facebookのような幸せ自慢と慣れ 合いのカルチャー、発言小町のような粘着質とマウンティングに満ちたカルチャー、などなど。それにしても、このカルチャーとはどうやって生まれるのだろう か。

3つのC(Content, Communication, Culture)

CGM(ユーザーがコンテンツを投稿するメディア)のサービスにおいて、コンテンツとコミュニケーションとカルチャーという3つのCは三位一体だ。

最初にユーザーありき。だが、コンテンツが無ければ、コミュニケーションも生まれない。

コンテンツをめぐるコミュニケーションが発生し、繰り返されて行くことで、少しづつ独自のカルチャーが形成されていく。

形成されたカルチャーは、その後に投稿されるコンテンツのクオリティや方向性を左右し、さらにコミュニケーションのノリを決定づけていくのである。

現時点のnoteにおける、3つのCを考察する

最後に、今の時点、僕の周りでのnoteにおける3つのCがどんな感じか、主観的な雑感を述べて終わりにする。ぜひコメントなどで自由に意見を述べていただき、今後の議論の叩き台にしてほしい。

■noteのコンテンツ : 

ストック型(まとまったコンテンツ)は各種ノートに、フロー型(雑談や一発ネタ投稿)はトークに、という使い分けが生まれている。さらに、プロのクリエイ ターによるクオリティの高いコンテンツや、課金につながるコンテンツも生まれつつある。まだまだ音楽や動画は少ないが、ラジオ放送のようなことをし始めて いる人もいる。

■noteのコミュニケーション :

「スキ!」を通じたコミュニケーションは定着している。わりと多くの投稿で、コメントを通じた気軽なやりとりやプチ議論が発生している。フォロー関係は Twitterのように、有名人に多数のファンがぶらさがる、という傾向が多く見られる。フォロー関係の中での、クリエイターとファンとの交流や、知人間 の馴れ合いなどがどうなるかは未知数。

■noteのカルチャー :

みなクリエイティブであれ、という雰囲気。そして、みなが和気あいあいとこのシンプルなツールの活用方法を模索している。ノートを通じてコンテンツ発信した り、そこにリアクションするのがメインという空気があり、やや雑談トークの連投がしずらい。まあ、それはTwitterでやればいいよね。一番面白いの が、有料コンテンツを出している側も、購入する側も、気負った感覚が無いところ。これは、今までのサービスの初期には無かった文化と言える。唯一似ている ものをあげれば、ニコニコ動画の関連商品(ネギとか)をネタで買ってしまうという文化か。でも、あれは運営側に支払う金だから、やっぱりnoteは稀有 だ。

最後に

自分も今、グラフィーというWebサービ スを開発していることもあり、新規サービスがどのような過程を経て、カルチャーを育んで行くのかを、とても興味深く見守っているところだ。ちなみにグラ フィーは、映画や音楽やグルメなどの「マイベスト」をプロフィール代わりにして、趣味嗜好が近いひと同士がつながって行くというSNSだ。近日β版をリ リース予定なので、興味があれば事前登録して初期ユーザーの招待を受け取ってほしい。なんてことはない、note的な投げ銭がわりの単なる宣伝である。

この手のサービスのマネタイズはなんだかんだいいつつ広告に頼りがちなので、noteで有料コンテンツの販売が軌道に乗るかどうかは、本当に興味深い。有名 人の知名度換金装置というだけでなく、無名の人でも遊びでいくつか売れちゃうような、そんな気軽な場所に育って行くといいな、と思った。