映画、マンガ、小説など……物語の形式は色々ありますが。
物語の主人公は死にません。
胸に銃弾を受けようが、高層ビルから落ちようが、爆発に巻き込まれようが、絶対に死にません。
なんでだよ! と思ったことはありませんか?
「主人公には無敵の『主人公補正』がかかってるからだろ」と言う人もいます。
「死んだら話が終わっちゃうから殺せるわけないだろ」とメタ視点で言う人もいます。
でも、主人公がどんなにピンチでも死なない理由は簡単です。
それは……。
「死にそうなほど危険な体験から、奇跡的に生き延びた後で、主人公自身がその体験を他人に語っている物語だから」です。
だって、主人公がひとりきりで死にそうな思いをしながらピンチを切り抜けた事実を、当の主人公以外の誰が知ってるというんですか?
物語の途中で死んじゃった人のストーリーなんて、絶対に表に出ないわけですよ。たとえそれがフィクションだとしても、これ誰が語ってるんだよって話になるわけです。
壮大な物語の全貌を解き明かし、後からみんなに「すべらない話」として語ることができるのは、主人公ならではの特権です。
だって、「本当に死んじゃった話」とかを千原ジュニアとかが、「これ僕が去年体験した話なんですけどね」って一人称で話始めたら、猛烈に怖いじゃないですか。
幽霊なのー!? って。
だから、主人公は最後まで死にません。
それが、生きた人間によって語られる、一人称視点の物語である限り。
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