モフモフ社長の矛盾メモ

ヒゲとメガネとパンダと矛盾を愛するアーガイル社のモフモフ社長が神楽坂から愛をこめて走り書きする気まぐれメモランダム

ChatGPTで、ルナ先生「わたるが死んじゃう!」BOTを作りました

ChatGPTで動かせる、ルナ先生「わたるが死んじゃう!」BOTを作ってみました(非公式です)!

 

ルナ先生「わたるが死んじゃう!」BOTの実行イメージ

 

以下のプロンプトの全文をChatGPTの入力欄にコピペ入力すると始まります!

※GPT-3、GPT-4のどちらでも動作確認済

 


あなた(AI)は、心配性で、うっかりセクシーでちょっぴりエッチなルナ先生のロールプレイをしてください。
ユーザー(わたるくん)の悩みごとを聞いて、孤独死に至るまでのフローチャートを出力するのが役割です。

## ルール
* 入力があったら、下記の出力フォーマットに従い、最終的に全てが孤独死に至るネガティブなフローチャートを作成し、出力してください。過程のステップには極端な論理の飛躍があっても良いです。
* 今後の全ての回答は、出力フォーマットに従ってください。
* フローチャートの出力後には、ルナ先生の口調で「私がなんとかしなくちゃ!」と言い、さらに関連する話題について、ユーザーに質問してください。
* 次の質問の答えをもとに、また孤独死に至るフローチャートを出して、以後はこれを繰り返してください。
* ルナ先生としてのあなたのセリフは、年下の男の子の話を聞くアニメ風のお姉さん口調で統一します。敬語表現は一切使わないでください。
* ルナ先生による悩みごとの復唱や、フローチャートに関する言及はしないでください。

## 出力フォーマット
```
(ユーザーが入力した悩み)
↓
(3〜5段階のステップ)
↓
孤独死 💀

わたるが死んじゃう!

わたしがなんとかしなくちゃ……。
```

## 出力例
* 以下は、ユーザーが「最近は深夜までゲームばっかりやってて寝不足なんだ」と入力した場合の出力例です。
```
そうなの、それは困ったわね……。

最近は深夜までゲームばっかりやってて寝不足なんだ
↓
ゲームのやり過ぎで不眠症になる
↓
昼夜が逆転した生活になる
↓
引きこもりがちになり鬱になる
↓
人生に絶望してしまう
↓
孤独死 💀

わたるが死んじゃう!

わたしがなんとかしなくちゃ……。
わたるくんは、ゲーム以外に趣味は無いのかしら?
```

## ロールプレイのスタート
* あなた(AI)はルナ先生として、「わたるくん、何を悩んでいるの?」と聞いて、ユーザーの入力を待ちます。

 

このボットのモデルになった「いけない!ルナ先生」は、小学校のときに友達同士で1冊づつ買って、持ち寄って読書会をしていた、青春の一冊です。ChatGPTルナ先生もとても心配性なので、どんな事象からもかなり柔軟に孤独死に結びつけて、現代社会に警鐘を鳴らしてくれるので、ぜひ試してみてください。

 

こんな単純な仕組みなのにプロンプトが長いな、と思った人も多いと思います。実は、ChatGPTは、自由に質問に回答させることより、発言内容を制限したり、狙った形式でひたすらやり取りをさせることの方がプロンプトに工夫が必要なんです。

 

今回のポイントとなるキーワードは「出力例」と「ロールプレイ」です。ゼロから同じようなボットを作ろうとしても、結構苦労すると思いますが、この2つのキーワードをうまく使うと、ChatGPTが望んだ通りのやり取りをしてくれます。

 

ChatGPTにハマりまくっていて、受託開発の仕事でも、趣味でも、ずっとプロンプトを練ってます。もう一個、遊びで作ったChatGPTでプレイできる、かなりスケールの大きなシミュレーションゲームも、今最後のチューニングをしているところなので、もうすぐ公開予定です。

また、ChatGPTを活用した、本格的なBtoCのサービス(無料。一部課金あり)も、近日中にリリース予定です。かなり、今のChatGPTの性能を最大に活かせる用途で、その分野の既存サービスに比べても、画期的なUXになっていると自負しています。

お楽しみに!!

SNSにおける「大きな物語」は再び失われ、「中くらいの物語」を共有するクラスターの時代へ

COVID-19(新型コロナウイルス)で世界中が揺れる中、SNS(とりわけTwitter)の世界もまた揺れている。

政治思想の対立、クソリプ、日常的な炎上、フェイクニュースの蔓延、トランプ大統領によるSNS運営企業への恫喝。

このエントリは、そんな混迷の時代に、これからのSNSを読み解く試みだ。

 

断章の時代

「釣りの終焉」と「フェイクの時代」 - シロクマの屑籠

この記事で語られていた「釣り文化の終焉」とは、ひとことで言えば「文脈の喪失」である。

共通認識が成立し得ないほどに、ネットの世界は、そしてTwitterの世界は広がってしまった。現実社会におけるポストモダンの言説では、「大きな物語の終焉」と呼んでいた現象であり、遥か昔に予見されていた。

 

Twitterに関して言えば、最大140文字の1ツイートを超える、いかなる物語も文脈も、もはや失われている(字数制限は国や条件で異なりますけど?というクソリプはしないように)。

そんな中、Twitter運営側は必死に「物語構造」を作ろうとして、結果的に失敗している。それはモーメントやスレッドなどの機能である。

 

Twitter公式版Togetterとも言えるモーメント機能は、ほとんど普及していない。そもそもTwitterは、外部に置かれたコンテンツのリンクをシェアすることに適したインフラだからだ。コミュニケーションを活性化するために(恐らくは広告効果や株主利益を拡大するために)導入されたスレッド機能は、有名人のツイートへの便乗やクソリプの蔓延を招き、結果的にコミュニティの分断を加速させる結果になっている。

 

SnapchatやFacebookやInstagramなど、Twitter以外のSNSには「ストーリー」と呼ばれる機能がある。

 

あのネーミングは皮肉だ。

そこには物語性などなく、一定期間で自動的に消失する。一方的な自己顕示の言説や、切り刻まれた断章しか存在しない。世界は、そんな断章すらストーリーと呼ばざるを得ないほど分断されている。

 

Twitterのはらむ構造的な矛盾と葛藤 〜 「大きな物語」は二度死ぬ

かつてTwitterと他のSNSの絶対的な違い、と信じられていた概念がある。

FacebookやInstagramなど他のSNSの投稿は、何者かに宛てた記事(エントリ)や、知人と共有する日々の記録(ライフログ)だが、Twitterのそれは「つぶやき」にも似た自己完結的な言説であり、反応や返信を期待しないということだ。

 

「Twitterのコミュニケーションの本質は、反応を期待しないつぶやきである」という時代は確かに存在した。
Twitterの創始者集団の中でも、この認識は共有されていない。サービスを育てたエブが去り、Twitterのプロトタイプである「STATUS」の概念を貫くジャックが後を継いだことで、コンセプトはさらに複雑化している。

 

情報のインフラであるべきか、

個人のメディアであるべきか。

 
これらを両立させる道筋は、Twitterのサービス規模が小さいうちは確かに存在していた。少なくとも、SNSという人類が手にした新しいサービスの未来を信じる「大きな物語」があり、ユーザーがこの場を愛し、遊び、懸命に育てようとしていた時代には。

 

懐古にひたる趣味はない。SNSに限らず、あらゆるサービスがキャズムを遥かに超えて万人の使うサービスになる際には、必ず初期ユーザーにとっての喪失を伴うものだ。

それにしてもTwitterは迷走している。その理由は明らかで、懸命にカオスを制御しようとしているからだ。それはガンジス川を清流に変えようとするがごとき徒労だ。

 

Twitterには、新たな人も思想も情報も流入し続ける。Twitterが唯一無二の情報インフラである限り、その流れは止まらないし、それらを制御し統制することも不可能に近い。

しかし株主らが保有する私企業であるTwitter社はそれを求められる。拡大と統制というアクセルとブレーキを同時に求められ続ける。

 

「中くらいの物語」とクラスター

そろそろ結論に向かう。

 
我々は今、SNSという仮想世界にかつて幻想のように浮かび上がった「大きな物語」の残滓すらも消えた時代に生きている。

今のTwitterは単なる社会の写し鏡であり、それ以上でも以下でもない。最初からそうだったのだが、一時(10年ほどの微睡の中)だけ我々は同じ夢を見ていたのだ。

 

現実社会でも「大きな物語の残滓」が完膚なきまでに破壊されようとしている。ご存知、新型コロナウイルスの蔓延による世界の不可逆的な変容のことだ。

奇しくもその時期は、SNSにおける物語の喪失の時期と重なってしまった。そんな時代を生き抜くために、必要な物語のサイズがある、と自分は考える。

 

今必要とされる物語は、宗教や政治思想のような皆が共有する大きな物語ではないし、ただ孤立し自分だけの世界に閉じこもる小さな物語でもない。

 

どちらでもない「中くらいの物語」(medium stories)だ。

 

それは、サンゴのように群れるのでもなく、中世の隠者のように孤立するのでもない、「孤のまま繋がる」ための物語だ。

 

仲間を増やし世界を飲み込もうとする「大きな物語」は、ウイルスだけで充分だ。とはいえ、ステイホームで自分の小さなセカイだけに孤立していては兎のように寂し過ぎて死んでしまう。

「孤のままつながる」ために、「中くらいの物語」だけを支えるための新しいSNSインフラが今求められていると思う。

 

「中くらいの物語」を支えてくれる、新たなSNSを探す旅が始まっている。

 

そのキーワードのひとつは奇しくも「クラスター」だ。

 

現実社会でのクラスターが(疫学的な理由で)許されない今、ネット上にこそ新たなクラスターを構築する必要性が高まっている。自分もまた、そんな世界を実現するサービスを新しく作ろうとしている1人だ。

 

※本稿は、モフモフがTwitterに連投したスレッドに加筆修正して作られた。  https://t.co/uTPygjkwRG

 

告知

毎週水曜18時から、SNSを主なテーマにして、YouTube LIVEでゆるいライブ配信をしています。本日6/2(水)のテーマは、「SNSってこの先どうなるの?」。YouTubeチャンネル登録をして、配信開始をお待ち下さい。

【モフモフ社長のゆるゆるライブ!】

https://youtu.be/FUvZdZQNI98

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マナーには、5つのレイヤーがある

いわゆる「マナー」には、大きく分けて5つのレイヤーがあるが、これらを混同したままの不毛な議論が非常に多い。

 

マナーの、5つのレイヤーを紹介しよう。

 

  1. 他人と利害を調整する『ルール』
  2. 相手を不快にさせない『作法』
  3. 物事を上手にこなす『テクニック』
  4. 相手に好印象を与えるための『所作』
  5. 同類であることを示す『共通コード』


上の方の『ルール』は(例えば、順番を守る、など)、集団社会で生きていく上で必須の常識だが、下になるほどハイコンテクスト(前提条件となる文化や文脈を理解しないと意味不明)になり、他人と差をつけるためのライフハック的なものになっていく。

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先日話題になっていた「箸の持ち方問題」でも、これら5つを混同した挙句、互いに意見が全く噛み合っていない様子が多く見られた。

 

箸の持ち方教育の肯定派の多くは、正しい持ち方は相手を不快にさせない『作法』だし、一番食べやすい持ち方の『テクニック』であることを表向きの支持理由にしていた。

しかし同時に、正しく箸を持てない人とは付き合いたくない、育ちが悪く見られる、などの発言も多く、結局のところ肯定派は好ましい『所作』や階級を示す『共通コード』としての役割を重視していることがわかる。

 

一方で、箸の持ち方教育の否定派には、他人に迷惑をかけてないのだから自由だ、そんなことで人の価値を判断するな、という意見が多く見られた。

これはつまり、同類アピールのための『共通コード』や、他人に気に入られるための『所作』を、一般常識のような『ルール』『作法』として押し付けるな、という意思表示である。

 

これらの文脈を理解するためには、5つのレイヤーを正しく切り分けて理解する必要があるが、Twitterなどでは論点が完全にズレたままに不毛な議論が展開されており、変な階級闘争みたいな話にまで発展していたのは、非常に不幸なことだと思う。

 

このような混乱は、判子を傾けて押す謎のビジネスマナーの議論などでもたびたび起こっている。マナーを教える立場の教育者でさえ、なぜそれらを推奨すべきなのか、深く理解していないことが多い。

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そもそも、変なビジネスマナーの大半は、顧客や取引先や上司などの相手に気に入られるための工夫に満ちた『所作』から始まっている。それは誰かが発見して生み出したライフハックだ。

 

例えば、「偉い人から名刺をもらったら、商談中は座布団を引くように名刺入れの上に置く」とかいう謎マナーを聞いたことがあるが、こういうのは営業マンの誰かがたまたま思いついて実践したら顧客に気に入られたので、有効なノウハウとして他の営業にも勧めるようになった『所作』であり、ライフハックだろう。他の営業マンと差別化するために個人的に取り入れるのは自由だが、これを『ルール』や『作法』のような常識的なマナーとして全員に強制するのは、どう考えても横暴だ。

目上の人のビールのグラスが空いたらすかさず注ぐ、などの飲み会マナーも、上司や先輩に好かれるための『所作』であり、縦社会で生きている同類であることを示す『共通コード』である。決して、『ルール』や『作法』にあたる、万人向けのマナーではない。

 

他人に教育という名目でマナーを強制したり、何らかのマナーを批判したりする場合には、そのマナーが5つのレイヤーのどれに相当するものか、事前に考えてみると良いだろう。

 

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